2012年12月20日木曜日

函館の青柳町こそかなしけれ

函館postcard「啄木の詩」より














       函館の 青柳町(あをやぎちやう)こそ かなしけれ

       友の恋歌 矢ぐるまの花
                          石川啄木

2012年11月21日水曜日

脳みそに働きかけてみよ



   衆議院が解散になった16日の夜。仙台市で、弁護士さんたちによる「『橋下維新の会』を考えるつどい」が開かれました。
   私が少し報告をさせて頂いたあと、参加者で活発な議論をしました。
   さすが弁護士のみなさん。私がお話しするまでもなく、改憲や弱肉強食の新自由主義をかかげる橋下「維新の会」の危険性や政治手法の欺瞞性はしっかり見ぬいておられました。

   問題は、どうやって彼らの台頭を阻止するのか。
   「共産党の出番だ」といってくださる方もいましたが、「民主党には裏切られたが、だからといって共産党に入れてもなあ」と、はっきりおっしゃる方もいました。

2012年10月31日水曜日

乱読のすすめ70-ナショナリズムは「アホの壁」


   先日、盛岡から東京まで約3時間の新幹線車内で読んだのが、石原慎太郎『新・堕落論』と筒井康隆『アホの壁』(どちらも新潮新書)の2冊でした。

   案の定、石原さんの本は、ナショナリズムの化石。最初から最後まで、開いた口がふさがりませんでした。
   いっぽう、かつて作家の田辺聖子さんから愛情をこめて「いちびり」と評された小説家・筒井康隆さんの本は笑いがとまらない。筒井さんにかかると、ナショナリズムは「アホの壁」だそうです。

2012年9月1日土曜日

「それでも日本人か」

安田浩一(講談社)










   野田総理問責決議案が可決された8月29日の参議院本会議。
   問責決議に先立って、竹島・尖閣 「上陸非難」2決議が、民主、自民、公明、みんな、生活などの賛成多数で議決。日本共産党は反対しました。
   わが党は、尖閣諸島は「日本の領有権は歴史的にも国際法上も明りょう」という立場。竹島についても、「日本の領有の正当性には根拠がある」という見解をすでに1977年に発表しています。ただ、竹島問題を解決するうえで、過去の植民地支配の根本的な清算を日本側がしっかり行うことが大事だと考えています。
   領土問題は、歴史的事実と国際法上の道理にのっとり、冷静な外交交渉によって解決をはかるべきであり、感情的な対応をエスカレートさせることは双方が自制すべきという立場から、今回の「決議」には反対しました。

   ところが、その本会議場で、自民党議員の一人が、わが党の席にむかって、「それでも日本人か、(反対なら)韓国へ行け」というヤジ、暴言をとばしました。ふだんはとても大人しい中堅議員です。私がにらみ返すと、下を向いてしまいました。

2012年7月31日火曜日

天敵、竹中平蔵


絵 あべ 弘士














   昨日、友人が、「竹中平蔵氏が、ツィッターで、大門さんのことを話していたよ」と教えてくれました。
   家に帰ってグーグルの検索で見つけたのが、10日ほど前の竹中平蔵さんの「つぶやき」。
“ 参議院の委員会で共産党の大門氏が『増税のまえにやるべきことがある・・』ではなく、『やるべきことをやれば増税は必要ない・・』、と述べた。大門氏と私では『やるべきこと』の中身は違っているが、『今回の増税必要なし』はまことに正しいと思う。大門氏と参院で論戦したことを懐かしく思い出した。 ”

   わたしも、竹中さんが小泉内閣の「看板」大臣だったころを思い出し、懐かしくなりました。

2012年7月9日月曜日

消費税も金利もあげる? 動きだすサラ金議員たち



 
   先月末、国民の多数が反対しているにもかかわらず、民主、自民、公明の三党が合意し、消費税の増税法案を衆院で可決しました。同時に可決された「社会保障制度改革推進法」も、国民の自助努力を強調し、国の社会保障にたいする責任を放棄するもので、小泉内閣時代の社会保障の連続改悪路線への逆戻りに他なりません。
   しかし小泉政権のときは消費税の増税はありませんでした。3党が合意したのは、社会保障の連続改悪と消費税増税をセットで行うという最悪のシナリオ。3党談合政治は、あの悪名高い小泉政治よりさらに危険です。
   ただ、政治を動かすのは、結局、国民世論。「いまは増税すべきでない」をふくめ反対が7割、8割ともなれば採決強行などできなくなるでしょう。反対世論をもっと広げ参院で廃案に追い込むために頑張り抜きたいとおもいます。
  
   こういう消費税問題のドサクサにまぎれて、サラ金業界の意向をうけた民主党、自民党の一部の国会議員が、利息制限法の制限金利をなんと年30%に引き上げるための議員立法を、今国会に提出しようとしています。

2012年7月2日月曜日

小沢流の怪しさは

栃木県 奥日光・戦場ヶ原 
湯川ぞいに咲くレンゲツツジ










   本日、 民主党小沢グループのうち、衆院議員38人、参院議員12人が離党届を提出。 民主党が分裂しました。

   午後4時すぎ、参議院議員会館12階の男性トイレ。民主党の重鎮で大臣経験者のAさんと、離党届を出した岩手県出身のYさん、そして私の三人が一緒になりました。

2012年6月29日金曜日

東京新聞をみならえ











   水曜日のブログをみて、東京杉並区のWさんから、つぎのようなメールをいただきました。

   「本当に朝日新聞の転落ぶりは著しく、反面、東京新聞の活躍が目立ちます。先日、脱原発宣言のつどいがあり、福島の方のお話の中に取材にきたという東京新聞の記者の方の話がありました。原発関連の意思表示を明確にしているため広告が減っているが、信念にもとづいてこれからも記事を書いていく…と。会場いっぱいの拍手でした」

   そうなんです。東京新聞は、消費税問題でも国民の立場を忘れていない。

2012年6月15日金曜日

絵本のすすめ43-はせがわくん きらいや




   ぼくは、はせがわくんがきらいです。はせがわくんと、いたら、おもしろくないです。なにしてもへたやし、かっこわるいです。はなたらすし、はあ、がたがたやし、てえとあしひょろひょろやし、めえどこむいとるかわからへん…。

   長谷川集平作「はせがわくんきらいや」(復刊ドットコム)は、昭和30年ころにおきた「森永ヒ素ミルク事件」を題材に、作者自身の実体験もまじえた絵本です。

2012年5月31日木曜日

乱読のすすめ54-「テレビ型」政治家



朝まで生テレビ









   きのう、廊下で民主党のK参院議員と立ち話。
   「テレビの討論番組に出ることになったんだが、オレ、短くもの言うのが苦手なんだな。いやなんだな」と苦りきった顔でいいます。
   たしかに、テレビ討論は言いたいことを短くまとめないと聞いてもらえない。私が数回でたことのある「朝まで生テレビ」などは、ちょっと長いと、すぐ割り込まれたり、司会の田原総一朗氏が無視して次の人を指名したりします。
   Kさんは、元自民党で衆院議員も経験した古株。質問のときは自分のペースで悠長にしゃべり、なかなか味があります。ただ本人も自覚されているとおり、テレビには向かない。
   しかし、かといって、テレビのコメントがうまい、「テレビ型」政治家に中身があるとは限りません。

2012年5月25日金曜日

ガリ版刷りは味がある


   先日、経済問題の懇談会で山形へ行ったとき、山形ガリ版印刷資料館の事務局長である後藤卓也さん(中央印刷・社長)とお会いしました。
   印刷の電子化にともない、消えてしまったガリ版印刷(謄写印刷)。昭和の香りがただようガリ版印刷の文化を永久保存しようと、後藤さんはお父様といっしょに私財を投じて資料館を設立されました。文化というものは後藤さんのような地域の方々の地道な努力があってはじめて伝承されていくのだと感激しました。

   とにかく、ガリ版刷りは味がある。昭和の文化をただ懐かしむのでなく、惜しむ気持ちにさせる、そういう技術だとおもいました。

鈴木藤吉 作品










   そういえば、戦前の反戦新聞「聳(そび)ゆるマスト」も、ガリ版のザラ紙刷りだったとのこと(「聳ゆるマスト」小栗勉、かもがわ出版)。

ギャンブル好きの議員たち

映画 「カジノ」














   ロバート・デニーロ主演の映画「カジノ」は、1970年代のラス・ヴェガスを舞台に、カジノ利権をめぐるマフィアの野蛮な抗争をえがいた衝撃作でした。
  たしかに、いまのラス・ヴェガスは、この映画のような血なまぐさい事件は少なく、華美な一大観光都市のイメージ。マフィアの姿も表立っては見えないかもしれない。しかし所詮、賭博場は賭博場です。マフィアがグループ企業化しただけで、表の顔と裏の顔があるのは昔とおなじ。賭博場が犯罪の温床、環境破壊、教育への悪影響など、問題視される存在であることに変わりはありません。
  ところが、そんな賭博場を、どうしてもどうしても日本につくりたいという国会議員がいるのは、いったいどうしたことか。

2012年5月11日金曜日

乱読のすすめ53-なんのための強制ですか、橋下さん
















   9日の私のブログをみて、大阪にいる友人が、橋下徹氏のとんでもない映像が「Youtube」で公開されていると知らせてくれました。

2012年5月6日日曜日

絵本のすすめ39-「綱渡りの男」




    高校生のころ、もっとも強い影響を受けた本は、大江健三郎さんの「厳粛な綱渡り」。戦後日本人の生き方やモラルについて深く考えさせられると同時に、タイトルの持つ冒険の香りに魅了され、万事、「綱渡り」気取りで、挑戦的な日々を過ごしたものでした。
  モーディカイ・ガーステイン作の絵本「綱渡りの男」(小峰書店)は、そういう若者の恐れを知らぬ冒険心をたんたんと描いています。ただし、綱渡りの場所は、ニューヨークの世界貿易センターのツインタワーでした。

2012年4月25日水曜日

AIJ事件-もうけたのは誰だ?




   映画に出てくる詐欺師は、どこか憎めないところがある。
   映画「ペーパームーン」(1973年)は、聖書を売りつける詐欺師の男(ライアン・オニール)と、母親を交通事故で亡くした9歳の少女(テイタム・オニール)が、詐欺をしながら旅をつづけるうち、本物の親子のように絆を深めていく物語。 テイタム・オニール の名演技(アカデミー助演女優賞受賞)もあり、情感ただよう名作です。
   また、映画「スティング」(1973年)は、詐欺で日銭を稼ぐ若者(ロバート・レッドフォード)と、伝説的詐欺師(ポール・ニューマン)が力をあわせ、宿敵のギャングを大がかりな詐欺で破滅に追い込んでいくストーリー。華麗なる手口に爽快感が残ります。

   ところが、現実の詐欺師はなんと黒々とした存在なのか。とくに昨今、多発している金融がらみの詐欺は、被害が広範囲におよび手口も複雑で、その分、発覚したあとは、余計ドロドロとした欲望と卑しさを感じます。
   その典型が、中小企業ではたらく労働者の年金を消失させたAIJ事件。しかもこの事件には、浅川社長などの「プレーヤー」だけでなく、「スポンサー」がいました。

2012年4月18日水曜日

乱読のすすめ51-「チャイコフスキーが なぜか好き」




   4月16日のしんぶん赤旗の文化欄で、ロシア文学者の亀山郁夫さんの新刊「チャイコフスキーがなぜか好き」(PHP新書)が紹介されていました。
   タイトルが自分の気持ちにぴったりだったので、すぐに国会の書店で手に入れ、その日のうちに読み終えました。
   チャイコフスキーというより、ロシア音楽全体の解説書で、亀山郁夫さんらしいロシアの歴史と文化にたいする深い愛着と、対象にがっぷり組み合う気迫を感じました。もちろん亀山さんにとって重要な位置をしめるのはチャイコフスキー。10歳のとき、はじめて「くるみ割り人形」を聴いてから、ロシア音楽への熱中がはじまったといいます。

   わたしの場合、チャイコフスキー以外のロシア音楽などよくわかりません。「チャイコフスキーがなぜか好き」なのも、子どものころ、母がレコードでチャイコフスキーの「悲愴」をうっとりして聴いているのを見ていたからです。なんでも、初恋の人の思い出の曲だとか…。

2012年4月9日月曜日

映画のすすめ12-「鉄の女」<理屈はあとから付いてきた>


マーガレットサッチャー
(メリル・ストリープ)










   名優メリル・ストリープ主演の映画「マーガレット・サッチャー、鉄の女の涙」を観ました。
   弱肉強食、自己責任を説く新自由主義の先駆者、イギリスの元首相サッチャー。その政権末期、人頭税(お金持ちも低所得者も一律の税金を払う制度)に反対する国民の声に対して、サッチャーはこう言い放ちます。 
   「私は上流階級出身ではなく、貧しい商家の娘から、自分の努力でここまでやってきました。みなさんも、やればできるはず。できるのにやらないほうが悪いのです」 
   原題は「THE IRON LADY」(鉄の女)。サッチャーの家族への思いや内面が描かれていますが、メリル・ストリープの名演技にもかかわらず、サッチャーの人間味が伝わってきません。邦題の「涙」は余計です。

   映画をみて、ふとおもったのは、貧しい家庭に育ちながらも学歴・教養を身につけ、社会的地位を獲得した人は、二通りの人間にわかれるのではないかということでした。

2012年3月8日木曜日

乱読のすすめ49-われ笑う、ゆえにわれあり


   哲学者、土屋賢二さんは、「われ笑う、ゆえにわれあり」(文春文庫)のなかで、つぎのように述べています。
   「ユーモア精神は最終的には、自分を笑うことができる能力、苦境に立たされても笑うことのできる能力、つまり、不幸を笑いに変える能力のことであろう。…窮地に追い込まれたり、死に直面したとき、冗談を飛ばせるかどうかが、人間性を評価する有力な基準になっているように思われる」

2012年3月4日日曜日

乱読のすすめ48-子どもにむかって絶望を説くな




   先週、函館と東京の移動時間などを利用して、今年の芥川賞受賞作二作を読みました。一生懸命書かれた作者には申し訳ないが、二作ともつまらなかった。若いころとちがって純文学はめったに読まなくなり、せめて毎年の芥川賞作品だけは目を通しておこうとおもってきましたが、もう今年でやめようかなと。

   「本へのとびら」(岩波新書)で、アニメーション映画監督の宮崎駿さんは、つぎのように語っています。
   「…それで、もう小説は読まなくなりました。なにがベストセラーになろうが、小説ははじめから忌避する感じで読まなかった。…流行りものを避ける傾向がありました。ベストセラーというのはしょせん文化の泡沫みたいなものだという意識があってね」
   そういう宮崎駿さんをとらえたのが、児童文学の世界でした。

2012年3月2日金曜日

がんばれ 国家公務員



函館Nさんから頂いた絵葉書








   先月29日午前の参院本会議で、国家公務員の給与引き下げ法案が民主、自民、公明などの賛成多数で可決され、成立しました。日本共産党と社民党、自民党の西田昌司議員が反対しました。
   人事院勧告制度を無視したうえに、それを上回る賃下げを議員立法で押しつける「二重の憲法違反」です。また、大幅な賃金引下げは地方公務員など600万人の賃金にも影響を与え、民間との賃下げ競争をまねき、さらにデフレを悪化させ、内需の冷え込みを加速させることになります。
   気になるのは、この間つづいている「公務員を減らせ、給与を下げろ」の異様な大合唱です。ここまでくると、社会的な「いじめ」ではないのか。マスコミにあおられて、国民の多くも「いじめ」に加担しているのではないのか。全体主義的な、きな臭さを感じます。

   国民のために頑張っている公務員もいるのです。ちょうどその日の午後、被災地のためになる案件をもって、国税庁の役人がわたしの部屋をおとずれました…。

2012年2月26日日曜日

乱読のすすめ45-天皇の吸いがら




   住井すゑさん(1902~1997年)が、長編小説『橋のない川』(新潮社)を書き出したのは56歳、いまの私と同じ年でした。
   被差別部落の問題を正面からとりあげ、天皇制についても勇気ある批判を展開した住井さん。創作は命がけだったといいます。

2012年2月23日木曜日

乱読のすすめ46-新自由主義の犯罪



   さいきん、また新自由主義が跋扈(ばっこ)しています。
   新自由主義とは、市場原理にもとづき、資本の自由を最大化しようというもので、人間よりも企業のもうけを大事にする考え方です。「小さな政府」論(官から民へ、公務員削減、規制緩和万能論)などもその一環です。貧富の格差を広げ、どん欲なマネー資本主義がリーマン・ショックを引きおこしたことで、新自由主義批判が強まりました。
   そういう気分のなかで誕生した民主党政権でしたが、野田内閣は新自由主義の方向にもどってしまいました。このブログでとりあげたファシズムやポピュリズムの根底にも、新自由主義復活のうごきがあります。

   本屋さんにも、ふたたび新自由主義礼賛書が並びはじめました。
   「もし小泉進次郎がフリードマンの『資本主義と自由』を読んだら」(原作、池田信夫、日経BP社)。2015年に小泉ジュニアの進次郎くんが総理になり、財政はたんした日本を救おうと、お父さんの意思をついで新自由主義「改革」をすすめるというマンガです。

2012年2月12日日曜日

乱読のすすめ44-ポピュリズム ってなに?


   いまから七年くらい前でしょうか。テレビ朝日の「朝まで生テレビ」に出演したとき、私が「小泉さんの構造改革で苦しめられている人びとが、小泉さんを支持しているのは不思議だ」と発言したら、司会の田原総一郎氏が「あなたは、国民がバカだといいたいのか」と突っ込んできました。変ないい方をする人だなとおもいながら、 「 国民が改革の本質を知らされていない、ということだ」と応えました。
   事実、その二、三年後には、「構造改革」の本質が知れわたり、国民から猛反発を受けることになり、小泉さんは、政権を安倍さんに譲るかたちで、批判の矢面から逃げ出してしまいました。 
   ただ、田原氏がいった「国民がバカだといいたいのか」という言葉には、ずっと引っ掛かるものがありました。それはポピュリズムとはなにかを、問いかけるものだったからです。

2012年2月7日火曜日

乱読のすすめ47-「北の国から」-2011「つなみ」


蛍(中島朋子さん)











   2月18日、札幌で「さようなら原発1000万人アクションIN北海道」がおこなわれました。その呼びかけ人の一人、脚本家の倉本聰さん。 人気テレビドラマだった「北の国から」の原作者です。
   「北の国から」シリーズは、2002年の「遺言 」で終わりましたが、倉本聰さんの頭の中では、ずっと物語は続いているそうです。タイトルは「北の国から」-2011「つなみ」。そのストーリーに魅かれました。

2012年2月3日金曜日

パチンコ業界から届いた「挑戦状」




   先日、被災地の調査を終えて国会にもどったら、一通の手紙が届いていました。
   差出人は、大手パチンコ・チェーン店で構成する業界団体(社団法人)。
   中身を読んで、これはどうみても「挑戦状」だとおもいました。

2012年1月30日月曜日

乱読のすすめ42-歳月なんてものは




   最近、映画でもテレビでも、小泉今日子さんが、不思議な女性を演じる、すごい女優さんになったとおもっていたら、演出家・久世光彦さんのエッセイ「歳月なんてものは」(幻戯書房)に、彼女のことが書かれていました。
   小泉今日子さんの演技が変わったのは、ある人の死がきっかけになったとのこと…。

2012年1月26日木曜日

乱読のすすめ41-生きのびよ 獣にならず 生きて帰れ

南京大虐殺 記念館










     いかがなる理にことよせて 演習に 罪明からぬ 捕虜殺すとや

     古兵らは 深傷(ふかで)の老婆をやたら撃ち なお足らぬげに 井戸に投げ入る

     生きのびよ 獣にならず 生きて帰れ この酷きこと言い伝うべく

   『小さな抵抗-殺戮を拒んだ日本兵』(岩波現代文庫)は、戦時中、中国河北省で、中国人捕虜を訓練のために刺し殺す「殺人演習」を、キリスト教者として拒否した渡部良三さんの歌集です。

2012年1月23日月曜日

乱読のすすめ40-知識人って、なに?


故 加藤周一さん













   学生時代、加藤周一さんの本と出会うまえは、「知識人」ということばが好きではありませんでした。特権階級的な響きもして、なにを偉そうにと、むしろ嫌悪していました。

2012年1月12日木曜日

ファシズムは、そよ風のようにやってくる?

内橋克人さん










     「ファシズムは、そよ風のようにやってくる」という警句があります。知らず知らずのうちに、最初は心地よいものとして浸透していく…。ほんとうでしょうか?
   歴史をふりかえれば、ファシズムは、ある者たちによって周到に仕掛けられたものではあるが、事前に闘ってきた人びとによって察知され、世にたいしくり返し警鐘が鳴らされていたのではなかったか。

2012年1月10日火曜日

乱読のすすめ38-高峰秀子「わたしの渡世日記」

日本エッセイスト・クラブ賞受賞
新潮文庫











   今日は、なにをかくそう、わたしの誕生日です。
   < おめでとう~>
   ありがとうございます。妻からも何も貰えなかったので、皆さんのその一言に救われた気がします。

   歳を重ねるとは、どういうことなのか。さらさら生きるとは、どういうことなのか。
   女優、故・高峰秀子さんの自伝「わたしの渡世日記」を読んで、かんがえさせられました。
   文庫本、上・下巻770ページを一気に読んでしまうくらい、エッセイ文学としても傑作です。

2012年1月3日火曜日

新春じじ放談―ずるいぞ大新聞





    ご隠居・甲太郎
   「おつとっと、乙さん、今年もよろしゅうたのんます。ところで、あんた何歳(いくつ)にならはったん?」
    ご隠居・乙松
   「ええっと、……忘れてしもた。甲さん、あんたは?」
   甲太郎
   「ワシはまだ、かぞえで二十歳(はたち)と五十や。延命装置つけてでも、年金できるだけもろたろかと思てんねん」
    乙松
   「そら立派な心がけや。年金減らされたら、長生きして元とるしかないわな」

   甲太郎
   「ところで元旦の各新聞の社説よんだか?もう、開いた口がふさがらんかったわ」