2013年9月6日金曜日

乱読のすすめ89-マックス・ヴェーバーに叱られるぞ










 今朝、政府の産業競争力会議や規制改革会議などの資料を読んでいて思いました、かれらが打ち出す日本社会の姿はなぜこれほどまでに国民のしあわせとかけ離れているのか、と。

   そもそも会議の設置目的そのものが国民の利益と相反するものですが、構成メンバーの「質」も相当にわるい。
   会議のメンバーは、総理をはじめ関係閣僚、財界代表、有識者といわれる人たちです。財界の代表が自分たちの利益を主張するのは当たり前だけれど、閣僚が財界の代表になりきったり、有識者が御用学者だったりしては、国民にとって身もふたもない政策が出てくるのは当たり前です。

   マックス・ヴェーバーは『職業としての政治』のなかで、政治行動の原動力は権力をにぎることにあり決して倫理ではないと断言しながら、だからこそ政治家には特別な倫理性が要求されると主張しました。つまり、権力維持のために財界にお世話になっているからといって、財界のことばかり考えていてはだめだ、国民全体のことを思いやる倫理性を持ちなさいということです。

   またマックス・ヴェーバーは『職業としての学問』のなかで、(学問を志す者は)時勢に浮足立たず学問の限界を謙虚に自覚しながら、仕事に(学問に)専念しなさいと説きました。
のこのこ政府の会議に出てきて、学問的良心を投げすて権力に迎合するなどもってのほかとヴェーバーなら叱りつけるでしょう。

   節度もへったくれもない人々によって政治の方向が決められつつある。とても危険なことです。