2013年9月10日火曜日

「賃上げ促進税制」はアリバイにもならない ①

 
 
 
 
 
 
 
 

 
   今朝の各紙の報道によれば、自民党は「賃上げ促進税制」の拡充を検討しているとのこと。よくよく賃金論のわからない政党だと思いました。

   そもそもなぜ日本はデフレ不況に陥っているのか。

   日本がデフレ不況におちいっている原因は、95年に日経連が「新時代の日本的経営」を発表して以来、財界と政府がいっしょになって賃下げ政策(非正規雇用の拡大など)をすすめてきたからです。
    先進国で政・財がグルになってこんなに露骨に賃下げ政策を行なった国は他にない。合わせて企業自身も「価格破壊」「ユニクロ現象」という言葉が流行したように、価格引き下げ競争(=コスト引き下げ⇒賃金引下げ競争)を行なってしまった。だから先進国で日本だけが、賃下げーモノが売れないー物価の下落、という悪循環にはまりこんだのです。

   いまのデフレ不況の原因が、わざわざ賃金を下げたことにあるのだから、わざわざ賃金を上げるしか、デフレの克服策はありません。

    10年くらい前は、わが党の「賃金引上げ⇒デフレ克服」論は世間一般にあまり理解されませんでしたが、最近は良識のある学者はもちろん、ない学者の方まで、賃金引上げこそデフレ克服の決めてと言われるようになり、安倍さんもその必要性を認めてはいます。しかし、問題は実際に賃金引上げに踏み出すかどうか。いまそれだけが問われている。

    賃金をきめるのは、労使の力関係(組合の力のつよさ)、労働市場の受給関係(人手が余っているか不足しているか)、生活費(生活できる賃金か)によって決まるといわれています。

   したがって、政府が賃上げに直接関与できるのは、正社員を増やす法改正と最低賃金の引き上げです。ここに本腰を入れるかどうかが、政府の姿勢を示すモノサシになるでしょう。…つづく